東洋医学エキスパートシステム弁証論治

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東洋医学エキスパートシステム弁証論治

  • 東洋
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漢方医学の論理性と臨床応用を追求したエキスパートシステム。
漢方治療のスキルアップを強力にサポートする。
追求したのは有効性、再現性、客観性、論理性、そして容易に使いこなせる操作性と実用性。

[ 開発チーム ]
松本克彦、和田茂士、寇 華勝
北村新三、田中克己
株式会社 メディカルユーコン
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【東洋医学エキスパートシステム弁証論治の概要 】

●学会報告……<膠原病患者と漢方薬>
【緒言】
 膠原病患者の治療は、主に西洋薬によって行われ、最近はその治療成績も著しく良くなっている。
しかし西洋薬の副作用や、冷え症、朝のこわばり、易疲労性、肩凝りといった西洋薬の効果があまり期待できない症状が治療上の問題点として残っている。
これらの症状に対する漢方薬の効果について検討したのでその効果を報告する。
【方法】
 ステロイド剤や免疫抑制剤により病勢が停止したSLE、PSSの患者に漢方薬を隋証投与した。
証の判定に際しては「東洋医学エキスパートシステム弁証論治」の判定結果を参考にした。
対象症状または目的は、1)漢方薬の効果が西洋薬のそれより優れていると考えられる症状、2)西洋薬の症状が乏しかった症状、3)ステロイド剤の減量または副作用の軽減、4)全身抵抗力の増強である。
【結果】
 PSS患者では、肝(10/11例)、脾(7/11例)、腎(4/11例)、裏寒または表寒(9/11例)、血虚(5/11例)、痰飲(3/11例)が示された。
SLEの場合、肝は全ての患者で認められ、脾(5/16例)、血虚(11/16例)、裏寒または表寒(10/16例)、腎症患者を中心に腎(6/16例)、痰飲(5/16例)などの証が示された。
漢方薬の効果としては、レイノー現象や朝のこわばりの軽快(桂枝加朮附湯)、冷え症の軽快(?寒剤や駆?血剤)、風邪を引かなくなる(柴胡剤)、頭重や頭痛の軽快(駆?血剤や利水剤)が最も多く見られ、食欲増進、体重増加、肩凝り軽快、不眠消失なども見られた。
アンケートに対し86.4%の患者が漢方薬は非常に有効またはかなり有効と返答した。
【考察】
 西洋薬の効果があまり期待できない膠原病の諸症状に漢方薬は極めて有効であり、予期しない効果が見られる可能性もある。
【総括】
 漢方薬のみで膠原病を治療することは困難であるが、病勢の停止した患者の各種愁訴に漢方薬は極めて有用と思われる。

≪引用文献≫
安江隆、安江厚子、第42回日本東洋医学会学術総会講演要旨集、1991年

●学会報告……<六君子湯が奏効した神経性無食欲症と抑鬱神経症>
【緒言】
 抑うつ症状と不安症状が前景にみられる神経性無食欲症と抑うつ神経症に対して六君子湯を投与し、特に抑うつ症状に改善が得られた2症例を経験したので報告する。
【症例1】
 24歳、女性、神経性無食欲症
元来、引っ込み思案、幼少時を夫婦仲の悪い環境で育つ。
中学時代より、登校拒否・シンナー中毒・家出癖などの問題行動、17歳頃より一過性の過食・嘔吐のエピソードが出現。
24歳頃より、再び多量に食べ嘔吐する摂食障害がみられ、近医を転々と受診した。
抗不安薬や抗うつ薬の投与を受けたが、症状は改善せず、佐賀医科大学医学部附属病院精神神経科に入院した。
【症例2】
 25歳、男性、抑うつ神経症
元来、真面目、徹底的な性格傾向。
家庭内では父親と兄が結核で長期療養中であり、現在母親と二人暮らしをしながら、大学院で研究生活を送っている。
20歳頃より、視力低下を自覚し、眼科を転々とした。
緑内障の診断を受け、抑うつ状態に陥り、将来視力が徐々に低下するのではないかとの不安症状や抑うつ症状が遷延化していた。
抗不安薬や抗うつ薬の投与を受けていたが、症状が改善しないために、佐賀医科大学医学部附属病院精神神経科に入院した。
【経過】
 いずれの症例も、入院当初、向精神薬の投与を行ったが、症状の改善が見られず、投与を中断した。
そこで、漢方医学的所見と漢方医学的体質を同定するため「東洋医学エキスパートシステム弁証論治」を使用、その診断結果から六君子湯を選択し投与を開始した。
効果判定の指標としてHamilton Depression Rating Scale, Beck Depression Inventry, Self Depression Scale, Manifest Anxiety Scaleを用い1週間毎に評価した。
さらに六君子湯投与前と投与後の舌所見の変化を捉えた。その結果、六君子湯の効果は1週間後から現れ、特に抑うつ症状の改善が顕著であった。

≪引用文献≫
佐藤武、武市昌士、第44回日本東洋医学会学術総会講演要旨集、1993年

●学会報告……<証(八綱・気血水、五臓)と心理・性格テストの関連性について>
【目的】
 東洋医学では対象とする患者を"身心一如"の存在(全人)として捉え、身・心・場(環境)の密接な相互関連の中で成り立つ「病像パターン」を「証」という枠組みで捉えている。
前回の報告では、八綱・気血水弁証とCMI健康調査表との間に統計学的に有意な関連性が認められた。
今回は鍼灸・湯液に共通する「証」と心理的・性格的要因の関連性を総合的に分析する目的で多変量解析を行った。
【対象と方法】
 対象は明治鍼灸大学附属病院整形外科と同附属鍼灸センターの患者75名(男性26名、女性49名)、年齢は16歳から87歳(平均年齢は45歳)。
五臓と八綱・気血水弁証の判定にはメディカルユーコン社の「東洋医学エキスパートシステム弁証論治」を用いた。
心理・性格テストとしてCMI、MAS・Y-G・TEGを実施した。
次にこれらの「証」、心理・性格テストに性別、年齢の項目を加え、京都大学大型計算機センターのFACOM M360/380システムを用いてクラスター分析、因子分析を行った。
【結果及び考察】
 1)相関係数行列表の分析から、年齢・性別・証(五臓、八綱・気血水)、各心理・性格テストとの間に関連性があることが認められた。
 2)気血水弁証、CMI、MASテストを共通の指標(変数)とするクラスター分析では、患者群を三つのグループに分類することができた。
 3)固有値1以上、累積寄与率71.2%で因子分析を行うと、三つの潜在因子が抽出できた。
第Ⅰ因子は、心身両面にわたる愁訴因子、第Ⅱ因子は心理・性格テスト因子、第Ⅲ因子は五臓、八綱(気血水)の証に関する因子と解釈できた。

≪引用文献≫
金原正幸、勝見泰和、森 和、池内隆治、片山憲史、越智秀樹、渡辺一平、松本克彦、第46回日本東洋医学会学術総会講演要旨集、1995年
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