古典に基づくエキス漢方方剤学
商品コード: 978-4-901767-04-0
【絶版】増補改訂版が出ています ⇒ 『古典に生きるエキス漢方方剤学』
漢方処方には、構成生薬の薬能理論や作用から見出せる適応と、それだけでは見出し得ない適応とがあり、後者は多くの場合、先達の口訣として残されているという。本書は、医療用漢方エキス製剤147方について、構成生薬の解説に最も重点を置き、個々の薬味解説はもちろん組合せによるダイナミックな薬効にも言及する一方、戦前・戦後の漢方重要文献600以上にあたるという、比類なき地道な古文献調査に基づき、その方剤の重要口訣を直接引用し、これを追記として網羅している。師である故・山本巌先生をして「今迄にこれほどの処方解説の書があったであろうか」と言わしめた漢方処方解説書である。
A5判上製本、688頁
[ 自動要約 ]
◆本書は実用目的に直結するため、個々の薬味の一般的な薬効を解説し、その組み合わせによるダイナミックな効果にも言及し、更にその処方の効能の中で位置づけ、その上で色々な先人の口訣を中心とした効能を解説する。
◆処方の出典に関する著者自身による調査内容から得た知見を記述する。すなわちその処方の元来の使用法を明確にし、どういう目的で処方されるに至ったか、またはどういう状況のもとで処方しようと意図された結果によるものか等々を再検討するためであり、これによって後世の使用法と比較することができる。
◆処方の出典記載文献は勿論、それ以後の諸家の引用による多くの古文献を直接引用している。そもそも先人の口訣の多くは古文献中にその原初形態が認められる。それ故直接・間接に口訣に至るヒントが隠されているものと思われるからである。
◆各所に著者自身のそれぞれの処方に対する考察を記述している。著者はその畏敬すべき師・山本巌先生の弟子であり、随所に師から直接受けた教えを著者なりに消化したものとして記述している。その他著者独自の創案を披瀝している箇所も多々ある。
◆それぞれの処方について、構成をなす全ての薬味を記憶するための覚え方を便法として記述している。言うまでもなくその処方を構成する全ての薬味を覚え込むための手段である。
◆現代においては個々の処方の効能を理解する上で、日本漢方的、中医学的、西洋医学的にそれぞれ相違したアプローチの方法が見られる。本書全体を通じて日本漢方的、中医学的アプローチそれぞれの持つ長所を位置づけて融和し、西洋医学的アプローチにより得られた有用と思われる内容をも取入れている。