漢方内科学―各分野の専門医が示す漢方治療の適応と役割

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漢方内科学―各分野の専門医が示す漢方治療の適応と役割

  • 東洋
¥11,000 税込
商品コード: 978-4-901767-20-0
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現代内科学に基づく正確な病態認識の下に、標準治療と漢方治療を対比し、漢方治療の適応と役割を明確にしつつ、病態別に漢方治療処方を示して解説する。多くの一般臨床家が漢方治療を考えるとき、座右に置いて参照できる最新かつ最高の治療書。
A5判上製本、944頁

<分担執筆>
漢方医学の基礎/水野修一 循環器疾患/並木隆雄 呼吸器疾患/巽 浩一郎・伊藤 隆 消化管疾患/水野修一 肝・胆・膵疾患/水野修一 腎・泌尿器疾患/室賀一宏 内分泌疾患/三谷和男 代謝・栄養障害/並木隆雄 血液・造血器疾患/筑田孝司 膠原病/今田屋 章 神経・筋疾患/丸山哲弘 運動器疾患/今田屋 章 精神科疾患/杵渕 彰 皮膚科疾患/小林裕美 婦人科疾患/村田高明
[ 目次 ]
漢方医学の基礎(1-50) 【執筆/水野修一】
漢方医学とは(2)
中国医学の歴史(4)
日本漢方医学の歴史(7)
診断学の問題(11)
弁証の問題(22)
漢方薬とは、その用法と副作用(47)

(1)循環器疾患(53-120) 【執筆/並木隆雄】
総論(54)
高血圧(55)
低血圧(65)
脳血管障害(70)
不整脈(動悸)(76)
虚血性心疾患(胸痛症候群を含む)(82)
うっ血性心不全(88)
動脈硬化(92)
慢性閉塞性動脈硬化症(98)
下肢静脈瘤(103)
閉塞性血栓血管炎(バージャー病)(109)
心臓神経症(115)

(2)呼吸器疾患(121-184) 【執筆/巽 浩一郎・伊藤 隆】
総論(122)
感冒症候群(123)
肺炎 市中肺炎(134)
肺炎 院内肺炎(136)
誤嚥性肺炎(138)
肺結核症(141)
非結核性抗酸菌症(143)
肺真菌症(145)
気管支喘息(146)
慢性閉塞性肺疾患(154)
びまん性汎細気管支炎(161)
特発性間質性肺炎(163)
膠原病肺(164)
特殊な肺炎 好酸球性肺炎(166)
特殊な肺炎 過敏性肺炎(167)
特殊な肺炎 薬剤性肺炎(168)
肺サルコイドーシス(169)
肺Wegener肉芽腫症(171)
肺胞蛋白症(172)
原発性肺高血圧症(173)
睡眠時無呼吸症候群(175)
膿胸(178)
塵肺症(180)
原発性肺癌、転移性肺腫瘍(181)

(3)消化管疾患(185-259) 【執筆/水野修一】
総論(186)
口腔内疾患
口内炎(舌炎・再発性アフタを含む)(187)
食道疾患
食道炎、食道潰瘍(190)
食道アカラシア(192)
食道神経症(194)
食道がん(196)
胃十二指腸疾患
急性胃粘膜障害(急性胃炎・急性胃潰瘍)(197)
慢性胃炎(201)
胃十二指腸潰瘍(206)
胃悪性腫瘍(胃がん・胃肉腫・胃悪性リンパ腫)(209)
腸疾患
急性腸炎(213)
潰瘍性大腸炎(218)
クローン病(223)
腸結核(227)
虚血性大腸炎(230)
虫垂炎(腸癰)(232)
痔核(236)
痔瘻・肛門周囲膿瘍(239)
腸管癒着障害(腸管イレウス)(241)
過敏性腸症候群(244)
慢性便秘症(249)
大腸憩室症(254)
大腸がん(257)

(4)肝・胆・膵疾患(261-306) 【執筆/水野修一】
総論(262)
肝疾患
急性肝炎(263)
慢性肝炎(266)
肝硬変症(271)
脂肪肝(274)
アルコール性肝臓病(276)
自己免疫性肝炎(279)
原発性胆汁性肝硬変症(281)
薬剤性肝障害(283)
肝膿瘍(化膿性肝障害)(286)
肝がん(288)
胆のう疾患
胆のう炎・胆道炎(291)
胆石症(293)
胆道ジスキネジー(296)
膵疾患
急性膵炎(299)
慢性膵炎(301)
膵のう胞(304)
膵がん(305)

(5)腎・泌尿器疾患(307-365) 【執筆/室賀一宏】
総論(308)
急性糸球体腎炎(309)
慢性糸球体腎炎(311)
ネフローゼ症候群(316)
二次性腎炎(320)
糖尿病性腎症(322)
腎硬化症(324)
遊走腎(326)
急性腎不全(328)
慢性腎不全(保存期)(330)
慢性腎不全(透析・移殖)(333)
急性腎盂腎炎(338)
急性単純性膀胱炎(340)
腎・尿路結石(343)
前立腺肥大(346)
失禁(348)
間質性膀胱炎(350)
過活動膀胱(352)
男性機能障害(356)
腎臓癌(359)
膀胱癌(362)
前立腺癌(364)

(6)内分泌疾患(367-428) 【執筆/三谷和男】
総論(368)
甲状腺機能亢進症(369)
慢性甲状腺炎(橋本病)(373)
亜急性甲状腺炎(379)
甲状腺腫瘍(383)
副甲状腺機能亢進症(387)
副甲状腺機能低下症(391)
下垂体前葉機能低下症(394)
先端巨大症、下垂体性巨人症(398)
高プロラクチン血症(無月経、乳汁分泌症候群)(401)
尿崩症(405)
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(407)
Addison病(409)
原発性アルドステロン症(Conn症候群)(413)
先天性副腎皮質過形成(副腎性器症候群)(416)
Cushing症候群(419)
褐色細胞腫(422)
カルチノイド症候群(425)
性機能低下症(睾丸機能低下症)(427)

(7)代謝・栄養障害(429-455) 【執筆/並木隆雄】
総論(430)
糖尿病(431)
高脂血症(438)
肥満(445)
痛風と高尿酸血症(450)

(8)血液・造血器疾患(457-478) 【執筆/筑田孝司】
総論(458)
鉄欠乏性貧血(460)
再生不良性貧血(464)
骨髄異形成症候群(468)
特発性血小板減少性紫斑病(472)
漢方治療の効果が明らかでない疾患(477)

(9)膠原病(479-509) 【執筆/今田屋 章】
総論(480)
関節リウマチ(484)
全身性エリテマトーデス(494)
全身性硬化症(強皮症)(498)
多発性筋炎・皮膚筋炎(501)
シェーグレン症候群(504)
混合性結合組織病(507)

(10)神経・筋疾患(511-596) 【執筆/丸山哲弘】
総論(512)
眩暈(514)
頭痛(526)
神経痛(543)
パーキンソン病(551)
認知症(559)
脳血管障害後遺症(567)
有痛性筋攣縮(こむら返りを含む)(582)
てんかん(588)

(11)運動器疾患(597-620) 【執筆/今田屋 章】
総論(598)
腰痛症(600)
腰部変形性脊椎症・腰部脊柱管狭窄症(603)
腰部椎間板ヘルニア・坐骨神経痛(606)
変形性膝関節症(611)
肩関節周囲炎(613)
骨粗鬆症(615)

(12)精神科疾患(621-672) 【執筆/杵渕 彰】
総論(622)
統合失調症(623)
気分障害(628)
不安障害(パニック障害など)(639)
身体表現性障害(645)
強迫性障害(655)
転換性障害(658)
睡眠覚醒障害(660)
てんかん(669)

(13)皮膚科疾患(673-742) 【執筆/小林裕美】
総論(674)
湿疹・皮膚炎群(675)
(1)接触皮膚炎(677)
(2)アトピー性皮膚炎(682)
(3)脂漏性皮膚炎(691)
(4)進行性指掌角皮症(主婦湿疹・手湿疹)(694)
(5)うっ滞性皮膚炎(697)
(6)自家感作性皮膚炎(700)
(7)皮脂欠乏性皮膚炎(702)
蕁麻疹(704)
痒疹(706)
乾癬(708)
掌蹠膿疱症(711)
ウイルス性皮膚疾患(713)
(1)単純疱疹(714)
(2)帯状疱疹(716)
(3)尋常性疣贅(719)
(4)伝染性軟属腫(722)
尋常性痤瘡(724)
酒サ(728)
物理化学的皮膚障害(731)
(1)凍瘡(しもやけ)(732)
(2)褥瘡(734)
ベーチェット病(737)
漢方の外用剤(741)

(14)婦人科疾患(743-882) 【執筆/村田高明】
総論(744)
月経随伴症状(月経困難症、月経前緊張症)(745)
排卵障害・無月経(761)
多囊胞性卵巣症候群(770)
女性不妊症(776)
不正性器出血・機能性出血(802)
更年期障害(812)
外陰掻痒症(828)
子宮内膜症(839)
子宮筋腫 (854)
子宮下垂・子宮脱(865)

病名・症候索引(883)
処方集&処方索引(901)

【本書の特色】
●現代内科学に基づく正確な病態認識
ともすれば「漢方は病名治療ではなく、随証治療である」といわれ、証さえ判断できれば病気は治るかのように言われるが、果たしてそれだけで現実の医療において通用するのだろうか。結果として現代医学的観点や知識の不足を招き、重篤な病気を見落としてしまうことにはならないだろうか。症状は明らかに軽快していても、一方で病気は着々と進行しているという危険性はないのだろうか。

難治性の○○症や○×症候群に漢方単独で著効を得た、あるいは有効であった、としても、果たしてその道の専門家から診て、その患者の病気は本当に○○症や○×症候群だったのだろうか。もし診ている病態が違っていて、その上で治療効果を云々していたとしたなら、治験情報としては全く意味をなさないことになりはしないのだろうか。

もちろん病気を確定診断できないときに随証治療は重要な意義をもつ。しかし臨床的にも学問的にも、漢方治療の特徴である随証治療は、現代医学的に可能な限り正確に病態が把握されている上で力を発揮すべきなのではないだろうか。現代医学に照らして正確に病態が把握されている上で、漢方治療(随証治療)を論じた治験情報が必要なのではないだろうか。

本書は、その道の専門家が分担執筆することにより、現代内科学に照らして各疾患が正確に認識されていることを必要不可欠の事項としている。その上で病態により寒熱虚実を考慮した漢方治療を論じている。

●標準治療か、漢方治療か
個々の病態に対する治療手段において、漢方医学の視点からだけ述べるのではなく、現代医学治療を第一優先とすべきなのか、漢方単独治療が可能、または望ましいのか、併用することにメリットがあるのか、あるいは適応はなくても何らかの漢方治療はあるのか等々、現代医学の治療手段の実際と問題点に対比して、漢方治療の適応と役割を明らかにすべきではないだろうか。よく現代医学は縦糸であり、漢方医学は横糸であるといわれるが、その縦糸と横糸を的確に結び合わせた治療書が必要なのではないだろうか。

本書はまさにこの点にも呼応する内容であり、標準治療の実際と問題点との対比の中で漢方治療の適応と役割を明確にしつつ、標準治療+漢方治療の選択肢をもつことで、より効果的で質の高い治療を可能にするものである。

●多くの一般臨床家にとっても最良の治療指針となる
入院加療を必要とする病気に罹った患者またはそのような患者を家族にもつ人間の視点から。必要な諸検査を受けて、診断が確定し、第一優先の現代医学治療を受ける。治療のリスクとして○×のような副作用があるかもしれない、と説明を受ける。その副作用に有効な漢方薬があるとしても、副作用に耐えて乗り越えるしかないのだろうか。そこで副作用を予防あるいは緩和するために漢方薬の○○湯を併用しておきましょうと言ってもらえないものだろうか。多くの一般臨床家にも、現代医学の標準治療に加えて漢方治療の選択肢をもっていて欲しい。

本書の内容は、個々の病態に対して、その道の専門家が臨床的に客観的な視点と自らの経験から示しえた漢方治療であり、たとえ小柴胡湯と葛根湯くらいしか使ったことがないという一般臨床家であっても、治療の中で漢方治療を考えるとき明確な指針となり得る。







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